クッキーは「小さなケーキ」。ビスケットは「2度焼いたパン」?
クッキーの名前は、オランダ語から
英語の「cookie(クッキー)」は、オランダ語の「koekje(クーキェ)」に由来します。英語辞典のメリアム・ウェブスターでは、ケーキを意味する「koek(クーク)」を、小さいものを表す形にした言葉と説明されています。
言葉をたどると、日本が鎌倉時代だった頃へ
「小さなケーキ」という名前のルーツは、中世までさかのぼります。オランダ語の語源辞典には、1285年の用例として「小さな焼き菓子」を表す古い語形が載っています。日本では鎌倉時代にあたる頃です。
辞典はこれらを、現代の「koekje(クーキェ)」に相当する言葉として説明しています。なかには「大麦の小さな焼き菓子」を意味する用例も。クリームを飾ったケーキより、穀物の粉で作る小さな焼き菓子を思い浮かべると、名前の意味をつかみやすくなります。
ただし、1285年の記録は現在と同じ綴りの「koekje(クーキェ)」ではありません。当時のお菓子が今のクッキーと同じ材料や食感だった、とわかる記録でもないのです。

英語の「cookie(クッキー)」は、18世紀の記録に
メリアム・ウェブスターが挙げる、菓子を指す英語「cookie(クッキー)」の最古の用例は1779年。18世紀後半、日本では江戸時代にあたります。
中世の古い語形、現代オランダ語の「koekje(クーキェ)」、そして英語の「cookie(クッキー)」。名前をたどると、時代と言語をまたぐつながりが見えてきます。1779年も、英語での用例の年代であって、クッキーが発明された年ではありません。
ビスケットの「ビス」は「2度」
ビスケットの語源は、ラテン語の「bis coctus(ビス・コクトゥス)」。全国ビスケット協会によると、「bis(ビス)」が2度、「coctus(コクトゥス)」が焼かれたものを意味します。「2度焼かれたパン」を表す「biscoctus panis(ビスコクトゥス・パーニス)」という呼び方もありました。
なぜ、わざわざ2度焼くのでしょうか。
その理由は、保存にあります。協会は、旅の食糧としてパンを乾かし、もう一度焼いて日持ちをよくしたものが、ビスケットの起源ではないかと紹介しています。名前の背景にあるのは、長い旅に食べ物を持っていくための工夫でした。
名前の由来と、今のお菓子の区別は別の話
「小さなケーキ」と「2度焼かれたもの」。クッキーには小ささを表す言葉が、ビスケットには焼き方を表す言葉が残っています。
ただし、これは名前の由来の話。今売られている一枚を、名前だけで「ケーキを小さくしたもの」「必ず2度焼いたもの」と判断することはできません。日本でクッキーと表示できる条件については、別の記事で紹介する予定です。
次のおやつの時間には、いつもの名前を少しだけ言い換えてみてください。「小さなケーキを一枚」。そう思うと、聞き慣れたクッキーという言葉も、ちょっと違って響きませんか。
クッキーとビスケット、何が違う? — Coming Soon
あわせて読む
海を渡ったお菓子の名前:金平糖はどこから来た?
参考資料
- オランダ語語源辞典「koek(クーク)」(Etymologiebank収録):1285年の古い語形「coekelkin」「coekelin」と用例
- メリアム・ウェブスター「cookie(クッキー)」— 語源・初出
- 全国ビスケット協会「ビスケットの起源と語源」
※カタカナは読み方の目安です。
資料確認日:2026年10月12日
制作・編集:SWEETS FIND
運営者・編集方針